FALKENBACH TIURIDA

FALKENBACH(フォールケンバック)
TIURIDA / 2011年 / 80点

ドイツ出身のフォークメタルバンド、5枚目のアルバムです。

これまで一枚たりとも国内盤が発売された事が無い、知名度皆無のバンドですが、フォーク/ペイガン/ヴァイキングメタルが好きならば間違いなく気に入ると個人的には思っています。

音楽性は血肉が吹き荒ぶ戦い……ではなく、穏やかな大海原を船で進むヴァイキング達が頭に思い浮かぶフォークメタルです。疾走曲は1曲も無く、アップテンポナンバーが1曲、あとは全曲ミドルナンバー。更にAメロ→Bメロ→ブリッジ→サビと言った曲の起承転結にも乏しく、最初から最後までずっと似たようなパートを繰り返すという偏りっぷりです。
ボーカルはデスボイスとノーマルボイス、そして無し(インストゥルメンタル)が33%ずつと言った感じです。なお、1曲の中に複数のボーカルタイプがあるのではなく、例えば「... Where His Ravens Fly..」は全編ノーマル、「Time Between Dog and Wolf」は全編デスボイスで歌われています。

メジャーな曲に慣れている人からすれば退屈この上ない音楽かもしれません。しかし、私にとっては非常に心地良い時間でした。最初から最後まで胸がキュッと切なくなるメロディに溢れており、この海原に身を浸せる事の心地良さと言ったらもう……。ミドルテンポなのも、似たパートを繰り返すスタイルも、「メロディが良い」という1点で全てがポジティブな要素になるのです。

残念ながら過去作に比べるとイマイチメロディにクサさが足りないと感じましたが、私が大好きなスタイルである事は変わりません。

お気に入りは「Runes Shall You Know」。このテンポ、このメロディ、FALKENBACH印100%の曲です。

間違いなくメジャーなスタイルではないでしょう。しかし「自分の好きな曲をただひたすらにかき鳴らす」同人的な方向性は、嗜好が一致すればどんなメジャーな音楽でも及ばない極致に連れて行ってくれます。このバンドはそういう類のバンドだと思います。
気になった方はぜひ聞いてみてもらいたいです。