
FALLEN SANCTUARY(フォールン サンクチュアリ)
TERRANOVA / 2022年 / 80点
オーストリア&イタリア出身のパワーメタルバンド、1枚目のアルバムです。
オーストリア出身のプログレバンドSERENITYのボーカル、ゲオルグ・ノイハウザーと、イタリアのメロディックメタルバンドTEMPERANCEのギター兼ボーカル、マルコ・パストリーノを中心としたパワーメタルバンドです。私、SERENITYはよく知っているんですが、TEMPERANCEの方は聞いた事が無く、よって両バンドと比較してどうという事は言えないので、それを理解した上で読んでいただければと。
客観的に言えば「ストレートになったSERENITY」です。プログレッシブな要素はまったく無く、シンプルに疾走する欧州産パワーメタルです。実績のある人たちが作っているだけあり品質は極めて高く、安定感抜群の演奏、フックのあるメロディと、この手のジャンルでは最高レベルの出来栄えだと思います。特にあらゆるメロディを歌いこなすゲオルグ・ノイハウザーの歌唱力は特筆すべき点だと思います。
楽曲の特徴としては疾走感が高いのがポイントかな。欧州では分かりませんが、日本ではこの疾風のごときスピード感は強力なセールスポイントになりえると思います。
と、ここまで褒めちぎってきましたが、個人的にはそこまで凄い作品だとは思いませんでした。
ネットでは「初期SONATA ARCTICAを彷彿とさせる」と言った意見が見られ、確かに方向性はその通りだと思いますが、抒情性で言えば初期SONATA ARCTICAを凌駕できるバンドなんて早々ないわけですよ。もう少し突っ込んで言うと、SONATA ARCTICAにはあった「透明感」はこのバンドにはないですからね。この差は大きい。
質は高いんですよ。でも、素直に言わせてもらうなら「ちょっとレベルの高いパワーメタルアルバム」でしかなかったという感じです。もっと胸が締め付けられるような哀愁漂う抒情性が欲しかったな。
お気に入りは「Destiny」。そんなに早くもないし、強烈なメロディというわけでもないけど、こういう曲が長く聞けるんですよね。
文句も言いましたが、1枚目では十分合格だと思います。2枚目以降、どんな作品を出してくるかで評価が決まってくると思います。

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