CALADAN BROOD ECHOES OF BATTLE

CALADAN BROOD(キャラダン ブラッド)
ECHOES OF BATTLE / 2013年 / 86点

アメリカ出身のブラックメタルバンド、1枚目のアルバムです。なお、バンド名のカナ表記は推測です(だってどこにも載ってないんだもん)。

一般的に「アトモスフェリック・ブラックメタル」と言われるジャンルの作品で、アトモスフェリックとは「大気の」とか「品の良い」という意味。メタル界では「壮大な雰囲気を持つ」「幻想的な」という意味で使われるんだそうです。

本作もボーカルこそいかにもブラックらしい喚きデス声ですが、スピード感は一切無く最初から最後までずっとスロー。そして竜頭蛇尾、幻想的で美しいメロディに満ち溢れており、聴いていると薄緑色の森の中に吸い込まれていきそうな気分になります。こんな世界観をアメリカ人が作り出すとは……色んなアメリカ人がいるもんだ(笑)。メロデス、フォークメタルなどが好きな人にもおススメできますね。

それにしても、本作が描き出す儚く美しい空間は本当に心地良い。メロディアスである事を愛する自分にとっては至極の時と言えます。時折ヴァイキングメタル的な勇壮な場面も出てきますが、世界観を壊すほどではなく、良いアクセントとして機能しています。
これ以上、どうこう言うのは無粋な気がしますね。そういう事を指摘するバンド/アルバムではなく、ひたすらこの幻のような世界に身を委ねる事こそが本作の一番の楽しみ方。楽曲の方も全6曲、最低9分、最長14分とコマーシャル性0ですが、それでいいんです。

お気に入りは「City of Azure Fire」。1曲目を飾る曲。冒頭のハープ(?)の音色を聞いただけで、胸キュン☆しちゃいました。

ネットで調べたものの、日本語のサイトがほとんど当たらないドマイナーなバンド/アルバムですが、決して悪くない、むしろ素晴らしい作品だと思います。サブスクもあるから、機会があればぜひ聞いてみてください。