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明日の叙景(あすのじょけい)
わたしと私だったもの / 2018年 / 80点

日本出身のポストブラックメタルバンド、1枚目のアルバムです。

多くのメタル系サイトで話題になっていたので気になっていたバンドです。ちなみに「あすのじょうけい」ではなく「あすのじょけい」ですので、お間違えの無いよう。

ベースはブラックメタルらしく邪悪なリフで疾走しながら悲痛なデスボイスが響き渡るというモノですが、非常にユニークなのがその中にJ-ROCK的な香りが漂っている点です。ひたすらに邪悪ではなく、どこか爽やかな雰囲気さえ漂っており、これは他のバンドでは作り得ない独特なモノです。

他にも叫びから低いグロウル、更には普通声の「語り」など、ボイスも様々なタイプが混じっており、場面ごとに使い分けられています。

それらボーカルとサウンドが混然一体となって、彼らにしか作れないであろう唯一無二の世界観が描かれています。メンバーの写真も最近のロックバンドみたいでお洒落だし、ジャケットもメタル系のジャケットとは思えない和風ホラーチックな雰囲気が出ており、何もかもが新しいスタイルだと思います。

ただ、それゆえに普通のブラックメタル、デスメタルを聴く気分で聴くと「何じゃこりゃ」みたいな気持ちにもなります。私は楽しむ事ができましたが、それはメタルとして楽しめたというよりも、今までに聴いた事が無い「音楽」に触れて楽しいと言った感じ。「このメロディ格好良いね」ではなく「こういう音楽は聴いた事が無かった」という感じですね。
強いて注文をつけるなら、最初から最後までシンプルにブラックメタルする曲が入っていると良かったかな。

お気に入りは「薄氷」。10分を超える大曲ですが、心地良い疾走感とギターリフが癖になる1曲です。

どう評価して良いのか分からないというのが正直な意見ですが、独特の雰囲気を持っている事は間違いありません。ハマる人はとことんハマる世界だと思います。公式YouTubeチャンネルで全曲フルで聴けるので興味を持たれた方はぜひ。