
HARAKIRI FOR THE SKY(ハラキリ フォー ザ スカイ)
Ⅲ:TRAUMA / 2016年 / 80点
オーストリア出身のポストブラックメタルバンド、3枚目のアルバムです。
「ハラキリ」という日本人にとっては物騒この上ないパワーワードをバンド名に入れている事で気になっていたバンドです。しかもアルバム名は「トラウマ」。さぞかし危険極まりない音楽性なんだろうな、と覚悟して聴いてみたんですが、これがまた全然違っていました。
ちなみにメンバーはボーカル(と作詞)のJJ氏と、全楽器担当のMatthias Sollak氏の2人だけみたいです。
その音楽性はブラックメタルをベースとし、そこにがなるようなデスボイスと抒情的なメロディが乗っているというモノ。ブラストもあるものの、全体的にスピードは抑え目。メロディは一抹の不安を感じつつも雄大さを感じられるモノで、私の知識の中で言えばINSOMNIUMに近く、なので「INSOMNIUMがブラックメタルをやるとこうなる」と言えば伝わりやすいかと思います。
特筆すべきはやはりメロディです。抒情的でありつつも、何かスッキリしないモヤモヤとした感じのメロディは、世の中の不平等や戦争なんかについて考えたくなるような気持ちにさせられます。実際、#2「Funeral Dreams」のMVは世界の悲惨な映像がふんだんに盛り込まれており、バンド側もそういう意図があるのかもしれません。
このメロディを聴いていると、確かに空に向かってハラキリ(切腹)したくなる……かも?
欠点としてはとにかく曲が長い事。8曲しかないのに総時間が75分もあり、全曲8分以上、最長で11分もあります。盛り上がりが弱い曲展開もあり、ちょっと間延びした感じを受けました。できれば4~5分くらいにして、盛り上がりをしっかり設けてほしかったです。
お気に入りは「Thanatos」。不安になりつつも前を向きたくなる不思議な曲。
メロデスのようなキャッチーさを求めるとコケますが、ヘヴィメタルからアーティスティックなモノを感じたい人におススメです。

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