DARK TRANQUILLITY13

DARK TRANQUILLITY(ダーク トランキュリティ)
ENDTIME SIGNALS / 2024年 / 83点

スウェーデン出身のメロディックデスメタルバンド、13枚目のアルバムです。

THE HALO EFFECTやCEMETERY SKYLINEでも活躍し「世界一美しいデスボイスの持ち主」の異名を持つミカエル・スタンネがリーダーを務めている事でも知られているベテランバンドです。初期は典型的なメロデスでしたが、その後ノーマルボイスやゴシック要素を取り入れ、現在は他のどのバンドにも似ていない芸術性の高いメロデスを作り続けています。

音楽性は幻想的なKeyをたっぷりと使ったメランコリックなメロディックデスメタルです。ARCH ENEMYのようなスピード感、キャッチーさこそあまりありませんが、聴けば聴くほど味が出る芸術性の高いサウンドを聴かせてくれます。ハッキリ言ってしまえば、メロデスが好きな人よりもゴシックメタルが好きな人に受ける作品だと思います。

このバンドの肝はボーカルのミカエルと、キーボードのマーティン・ブランドストロームと言って良いでしょう。
ミカエルのボーカルはただ叫んでいるだけではない、「デスボイスだからこそ表現できるモノ」があるとすら思える表現力豊かです。そして、そんな彼の声をよりアーティスティックに仕立てているのがマーティン・ブランドストロームのキーボードです。前に出て弾きまくるようなスタイルではなく、一歩後ろで曲全体を包み込むように奏でるスタイルなんですが、恐らく彼のキーボードが無ければこの唯一無二の芸術性は出せないと思います。

普通のメロデスはガキっぽくて嫌いとか言う人がいたら、きっとこのバンドはピッタリくるんじゃないかと思いますね。

気になる点はやはり「ヘヴィメタルとしての高揚感が足りない事」が挙げられます。私は彼らのアルバムでは6th「DAMAGE DONE」が最高傑作だと思っているんですが、あのアルバムのようなアグレッションが圧倒的に足りない。本作は本作で聞き応えはあるんですが、数曲でいいから疾走感のある「いかにも」な曲を用意してほしかったです。

お気に入りは「Unforgivable」。本作で最も勢いのある曲。これくらいの曲をもっと用意してほしかった。

1年後に聴いたらまた評価も違うかもしれない。そう思わせる作品です。