
SERENITY(セレニティ)
THE LAST KNIGHT / 2020年 / 86点
オーストリア出身のシンフォニックメタルバンド、7枚目のアルバムです。
前作「LIONHEART」は獅子心王の異名を持つリチャード一世をテーマとしたコンセプトアルバムでしたが、本作も”最後の騎士”の異名を持つ「マクシミリアンⅠ世」をテーマとした作品となっています。だから「THE LAST KNIGHT」なわけです。
方向性はもちろん変わらず、「KAMELOT × RHAPSODY OF FIRE ÷2」と表現できそうなシンフォニックメタルです。ゲオルグ・ノイハウザー(Vo)の耳馴染みの良いボーカル、派手さは無いものの堅実にメロディやリズムを刻む楽器隊と、サウンドも最高レベル。楽曲も爆走こそしませんが、ツボを突いた展開は熟練の職人と言っても良いレベルだと思います。
となると、あとはメロディの良し悪しになります。
前作「LIONHEART」が彼らの中でも最高傑作だった事もあり、「さすがにアレを超える作品はすぐには生まれないだろう…」と思っていました。結論から言えば予想通り、超えてはいませんでした。しかし、それであっても極めてハイクオリティな作品である事は間違いないと思います。もしも本作を新人バンドが作っていたら、「驚異の新人だ!」と褒めちぎっていたでしょう。
私個人としては、特に後半の曲が充実していると感じました。フォーキーなメロディが良い「Queen of Avalon」、清々しい気持ちになれるバラード「My Farewell」、いかにも彼ららしいメロディ満載の「Down to Hell」、まさに「KAMELOT+RHAPSODY OF FIRE」な「Wings of Pride」などが印象的でした。
欠点としては、これは前作のレビューでも書きましたが、似たパターンの曲が多い事です。メロディもスピード感も大体同じで、もっとバラエティに富んだ楽曲を用意してほしかったなと思います。個人的には爆走曲とフォーキーな曲はせめて1曲ずつは欲しいかな。
お気に入りは「Wings of Pride」。10番目にこんな曲持ってくるなんて反則だよ(笑)。
ネットでは「前作に比べると薄味でつまらない」みたいな評を見かけます。確かに前作に比べれば若干聴き劣りするかもしれませんが、それでも十二分に素晴らしい作品だと思いますよ。

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