AMORPHIS16

AMORPHIS(アモルフィス)
BORDERLAND / 2025年 / 82点

フィンランド出身のメロディックデスメタルバンド、16枚目のアルバムです。

1990年に結成された抒情的なメロディックデスメタルの先祖とも言えるバンドです。途中、迷走していた時期もありましたが、トミ・ヨーツセン(Vo)加入後の2006年に発表された7th「ECLIPSE」で、彼らなりの抒情メロデスを完成させ、以降その路線を続けています。
私は最初期も嫌いではないんですが、やはり「ECLIPSE」以降の方が聴きやすく、完成度も高いと思っています。

さて、そんな彼らの新作ですが、方向性は変わらず、メランコリックなメロディ満載のメロディックデスメタルです。とは言ってもデスボイスとノーマルボイスの割合は2:8くらいで圧倒的にノーマルボイスの方が多く、「抒情ヘヴィメタル」と言っても間違いではないと思います。欧米では「プログレッシブメタル」にカテゴライズされてるみたいなんですが、プログレ要素は無いだろ(汗)。

ヘヴィメタルらしいガリガリ感や格好良さこそ控え目ですが、晴れきらない、胸が締め付けられる抒情的メロディの素晴らしさはさすがの一言です。意外なほどアップテンポな曲が多く、一気に聴けてしまうのもポイントです。味わって食べたいのに箸が止まらない料理みたいな感じです(笑)。

と、出だしは凄く良かったんですが、後半になるに従って味が薄くなっていきます……。デビューしてたのバンドだったなら、この出来でも凄いと言ったかもしれませんが、この路線の先駆者である彼らにしては少々惜しい出来栄えと言わざるをえません。後半に目が覚めるようなキャッチーな曲が一曲でもあれば、また違っていたかもしれません。

お気に入りは「The Circle」。1発目を飾るナンバー。薄雲漂う空を連想させるメロディが秀逸。

抒情ヘヴィメタルとしては上々な出来栄えですが、彼らにしては小粒感が否めない一作かなと。でも、メロディ好きは聴いて損は無いと思います。