asunojokei3

明日の叙景(あすのじょけい)
Think of You / 2025年 / 77点

日本出身のポストブラックメタルバンド、3枚目のアルバムです。

J-ROCK的な爽やかさとブラックメタル的暴虐さが一つとなった、唯一無二のサウンドを鳴らすバンドです。前作もアニメのサントラのようなジャケットでしたが、本作もタバコを吸う天使のアニメ風イラストという、いかにも「らしい」ジャケットに胸が高鳴ります。

ボーカルを除けばASIAN KUNG-FU GENERATIONか何かか? と思えるようなちょっと影のある疾走感溢れるロックンロールなのに、ボーカルだけが悲痛なデスボーカルという、そのオリジナリティ溢れる音楽性はいささかも変わっていません。「激ロック」に「全編のシャウトのJ-POP?」という見出しのインタビューが掲載されており、確かに何も知らない人が本作を「ブラックメタル」と呼ぶ事は無いでしょう。正直、自分も呼んでいいのかもう分かりません(汗)。

本作は前作に比べて更にJ-ROCK化が進んでおり、「マジックアワー」なんてボーカルが普通なら完全にロックンロールです。一方で布大樹氏の非情なデスボイスは更に切れ味を増し、より彼らが描きたいであろう両極端な世界観が明確になっていると感じました。

ただ、本作はメロディがちょっと弱いかな……。前作なら「キメラ」や「歌姫とそこにあれ」、前々作なら「薄氷」のような、胸がキュンとなるようなメロディが本作には足りなかったと思います。
もっと言わせてもらうなら、ここまでJ-ROCK化されてしまうと、個人的には好みから外れてしまった気がします。前作ぐらいが一番ちょうど良かったんですけどね、私的には。

お気に入りは「明日は君の風が吹く」。ラストを飾るナンバー。サビメロが良かったです。

いずれデスボーカルさえもやめて完全にJ-ROCKになってしまうような気さえします。どうなっていくのか、追っていきたいです。